懐石料理 雲鶴

 

Kaiseki cuisine UNKAKU

 

私たちの仕事

 懐石料理のメインである煮物椀。中でも吸い地がダメならすべてダメと言われるほど出汁は重要な要素です。シンプルなだけに素材の良し悪しが味に大きく影響します。昆布は北海道道南の白口浜、なかでも最も評価の高い川汲浜の天然ものを熟成させた最高品質のものを使用しています。鰹節は枕崎の一本釣り本枯節をその都度削っています。しかしながら、最高の素材だけでは良い出汁は出来ません。そこはやはり技術や経験が要求されます。昆布や鰹節を引き上

げるタイミングと温度、雑味を出さない丁寧な仕事・・・一見単純な仕事の中に

も、様々な重要な要素が含まれており、いかに安定して丁寧な仕事が出来るか

が問われるのだと思います。それが出来なければ、何をやってもダメと言う事で

しょう。

 「常に丁寧な手仕事」 これに尽きると思います。

 

 

OMOTENASHI    The Spirit of Selfless Hospitality

 

This is the very essence of kaiseki cuisine and tea ceremony. Although tea ceremony or the "Way of Tea" sounds daunting, it is not all that removed from what we Japanese do on a day-to-day basis. Upon inviting guests to one's home, we make an effort to ensure that both the garden and house are tidy. We arrange flowers, hanging scrolls, paintings and photos which we hope will be to the visitors’ liking. And we show our hospitality by treating them to good food and sake, followed by after dinner tea, coffee and sweets. It is essentially the same thing.

However, the food presented to the guest must be a treat. This does not imply that the food has to be lavish or excessively expensive. If one takes the literal meaning of the Japanese characters for the word "gochiso", the host is expected to "run around preparing food for the guests". The spirit of "Omotenashi" therefore refers to the lengths that the host is prepared to go to ensure that the guest has an enjoyable experience, regardless of whether the food being served is lavish or plain.

 

 

伝統と進化

 懐石料理は、ある種完成された料理と言えるかもしれません。故に、見方によっては型にはまった料理で、面白みに欠けると感じる人もいらっしゃるかと思います。しかし、型とは長年にわたって培われてきた職人の技や知恵の結晶であり、すべての事柄(所作、献立、順序、味付け、盛り方、器等々)、には必ず意味があります。伝統を無視しては決して良い料理を作ることは出来ません。しかしながら伝統に安住し型にはまったままでは、つまらないと言われても仕方ありません。

 新しい食材、新しい調理法、新しいスタイル、さらなる技術の向上を目指す上で重要なことは、型を破るためには型を無視は出来ないということです。まずは型を理解し、実行出来なければなりません。そして進化させる。それこそが「型破り」なのだと思います。型を知らないままではそれは「かたなし」=単なる滅茶苦茶でしかありません。「形無し」にならぬ様、伝統に敬意を払い、理解しながらも進化させ、さらに完成度を高めていく。その繰り返しが伝統を築いていくのだと思います。

 

 変化のための創作ではなく、進化のための創造

 

 日々の仕事を通して、少しでも懐石料理の伝統を進化させていきたいと思っております。

 

                                                                     料理長 島村 雅晴